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ハワイ神話の研究書

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FXを楽しむための小ネタ集

ハワイの神話と伝説~ハワイ神話の研究書

「ハワイの神話伝説の探求者たち」のコーナーでご紹介した本、 あるいは紹介しきれなかった書籍を、初版発行の年代順に一覧表でまとめてみました。ハワイ語による出版物は 省略していますので、もとのハワイ語版の出版は早くても、英訳が遅かった本は比較的後ろのほうに登場しています。 一部、「ハワイ神話伝説ライブラリー」と重複するものもありますが、ご容赦ください。独断ですが、 重要と思われるお勧めの本はタイトルを赤くしてみました。

Voyage of HMS Blonde to the Sandwich Islands(1826)  Lord Bylon 
1824年~1825年にかけてH.M.S.Blonde号に乗ってハワイを訪れたバイロン卿のハワイ訪問記です。当時のハワイ(カメハメハ 大王没後、リホリホが即位など)の様子を記録している大変貴重な本です。文章だけでなく、15枚の銅版画が添えられており、これまた当時の人々の風俗とか、ラハイナの風景 などの貴重な記録となっています。神話については「Song of Orono」という章に、LONO神に捧げるチャントが掲載されています。左の写真は1826年にイギリスで発行された初版で、ハワイ州立図書館収蔵のものです。Blonde号はハ ワイだけでなく、ブラジルやガラパゴス諸島も回ったようで、そちらのほうの研究者にとっても重要な素材になっています。
Narrative Tour through Hawaii(1826)  William Ellis 
正式名は「Journal of William Ellis, A Narrative Tour Through Hawaii in 1823」
1826年頃、イギリスとアメリカでそれぞれ初版発行され、1917年に Hawaiian Gazette社という出版社から、ホノルルで再版されました。写真はその1917年版のものです。 収録されている神話伝説の種類については、「探求者たち」の本文を参照してください。
A History of the Sandwich Islands(1843)  Sheldon Dibble

ラハイナルナに着任した若き牧師Sheldon Dibbleは当時の生徒、David Maloらの協力で「Ka Moolelo Hawaii」をまとめました。(ハワイ語表記です)。その成果をもとにさらに充実させたのがこの「A History of the Sandwich Islands」です。ただし、いわゆる神話伝説に相当する部分は20ページ強くらいです。
写真はハワイ州立図書館収蔵のものです。
An Account of Polynesian Race (1878-1885)  Abraham Fornander
正式名は「An Account of the Polynesian Race: Its Origin and Migrations and the Ancient History of the Hawaiian People to the Times of Kamehameha I 」という長いものです。タイトルにもあるように、Fornanderの主たる興味は、ハワイの人々の起源の追求にありました。全3巻からなるこの本のうち、第1巻でその起源を説き 、第2巻はその傍証としての神話伝説集、第3巻もさらなる傍証としての比較言語論です。彼の主張自体は、学術的にはかなりムリがあったようですが、第2巻は資料的価値もあ り、この巻だけが別途、ペーパーバックで出版されています。(写真右)。左の写真は全3巻+indexがセットになった便利なもので、1969年にタトル出版から出されたものです 。
Myths and Legends of Hawaii(1888)  King Kalakaua & Daggett
真の著者はカラカウア王ではなく、編集者として名前の出ているDaggettではないか、また、内容的にもあまりに作為が過ぎるのではない か?という批判もありますが、ハワイの古典復興を奨励したカラカウア王の業績としての象徴的な意味があったのではないかと思います。写真は1990年にMutual出版から出された 再版です。
Hawaiian Antiquities(1903:Moolelo Hawaii)  David Malo - N.B.Emerson
Sheldon Dibbleの薫陶で古代ハワイの民話・風俗の収集を行った、ハワイの誇る学者David Malo自身の著作です。当初1843年にハワイ語で出版されていたものを、1903年にEmersonが英訳出版したものです。神話伝説に関する記述は40ページほどです。写真は 1951年の第2版の再版、Bishop Museum刊です。
Hawaiian Folktales(1907)  Thomas G. Thrum
Fornander Collectionで有名なThomas G.Thrum自身の著書ですが、「著書」、というと語弊があるかもしれません。彼が長年編集長をつとめた「Hawaiian Almanac and Annual」に寄稿された記事の集成版なのです。Thrumは人を巻き込む力に長けていたようで、彼のコーディネートでまとめられた論文・記事は数多く存在して います。写真は1912年版をそのままに再現した、University Press of the Pacificからの復刻版(2001)です。ちなみに右はMutualからの再版です。(1998)
Unwritten Literature of Hawaii(1909)  Nathaniel B. Emerson
「The Sacred Songs of the HULA」というサブタイトルのある、古典フラの題材となった歌詩を、Emersonが丹念に集めた記録です。現在 ではすでにメロディが失われてしまったものなども含まれており、大変貴重な記録になっています。写真は1998年のMutual版。
Legends of Maui(1910)  W.D.Westervelt
Westerveltの神話伝説シリーズの1冊目です。写真はUnivertsity Press Of Pacificによる復刻版。
1910年当時の写真も10数枚含まれています。
Legend of Paao(1913)  W.D.Westervelt
Westerveltシリーズの2冊目。正式名は「Around the Poi Bowl, and Legend of Paao」。1899年のCram's Magazineという雑誌に掲載され た記事をもとにしたもので、非常に短いものです。
写真はハワイ州立図書館収蔵のもの。表紙・ページともに激しく損傷しているため、図書館で修復されています。
Legends of Ghosts and Ghost-gods(1915)  W.D.Westervelt
Westervelt 3作目。地域ごとに伝わっている民話集、といった趣。写真はMutual版(1998)
Legends of Old Honolulu(1915)  W.D.Westervelt
Westervelt4作目。写真ではわかりにくいですが、10cm * 16cmというミニサイズのハードカバー。1963年に日本で印刷されたタトル出版 のものです。写真もモノクロですが結構鮮明で、読むのが楽しくなってくるような仕上がりです。
Pele and Hiiaka(1915)  Nathaniel Emerson
 Emersonが20年かけて収集した、PeleとHiiakaにまつわる神話の総集編。話の大半はペレの言いつけでロヒアウを迎えに行くヒイアカ の物語ですが、この物語がここまで長いものだったとは。彼女が行く先々で出会う冒険が詳細に描き出されています。写真はAi Pohaku Press(1997)のもの。
Hawaiian Legends of Volcanoes(1916)  W.D.Westervelt
Westervelt5作目。ペレ神話が中心で、付録としてハワイの火山活動に関する科学記事もついています。ロヒアウ関連の物語の詳細さは上 記のEmersonの著作に遠く及びませんが、それ以外の話については、Emersonのほうで収録していない話も含まれます。写真はMutual版(1999)。
Fornander Collection of Hawaiian Antiquities and Folk-lore(1916- 1920)  Abraham Fornander - Thomas.G.Thrum
ハワイの神話伝説の原典集の金字塔といわれるFornander Collectionです。正式名は、「Fornander Collection of Hawaiian Antiquities and Folk-lore ; The Hawaiian accounts of the formation of their islands and origin of their race with the tradition of their migrations, etc., as gathered from original sources」という、とてつもなく長いものです。Fornander自身の著書「An account of Polynesian race・・」は、Fornanderの主張する起源説について批判も多いですが、その本を出版するにあたってFornanderが収集したこの「材料集」は、掛け 値なしに価値あるものとされています。

Fornandeの没後、Bishop氏によって草稿が買い取られ、Bishop Museumの号令でAlexsander、そしてThomas.G.Thrumによって翻訳・編纂がなされました。 Bishop Museumの「Memoirs」シリーズのVolume IV~VIとして、1916年~1920年にかけて順次刊行されました。各巻はそれぞれ3部構成になっており、全部で9巻約1500ページに及 びます。(見開きが英語ハワイ語の対訳として読めるようになっています)。1951年、Samuel Elbertによってこのシリーズのダイジェスト版(Volume Vが中心)が「Selection from Fornander」として出版されています。(写真右)。

左の写真は創刊時のもの(VolumeIV partI)です。
Hawaiian Romance of Laieikawai(1919)  .Haleole - Martha Beckwith
 「ラハイナルナに集った人々」でご紹介したHaleoleが、1860年代にNa Nupepa Kuokoa紙に連 載した長大な物語を、1917年にMartha Beckwithが翻訳、「33rd Annual Report of the Bureau of American Ethnology(1911-1912)」に発表しました。ハワイ版源氏物語とでも言 ってよいような、高貴な女性の恋物語が中心ですが、途中、話はいろんなところに逸れていき、激しく冗長な話になっています。
写真はその33rd Annualそのものです。Beckwithの寄稿している部分だけで300ページ近くあります。
More Hawaiian Folktales(1923)  Thomas G.Thrum
 1907年の「Hawaiian Folktales」の続編で、これもHawaiian Almanac and Annualからの抜粋です。先のバージョンではほとんどの話は 著者名付きでしたが、今回のものは、名前なし、すなわちThrumが直接執筆したと思われる箇所が増えています。写真はUniversity Press of Pacificによる復刻版です。
Hawaiian Historical Legends(1923)  W.D.Westervelt
 Westervelt6作目。(これで最後です)。「Legends」とありますが、歴史読み物といってもよい本で、スタートは神話時代のHawaiiloa の冒険ですが、後半はハワイの開国以降の近代史になっています。大変読みやすい本で、特に開国前のPaao、Moikeha、Laa、などの物語を知るのには好適本です。
写真はMutual版(1998)。
Hawaiian Legends(1923)  William Hyde Rice
 史上最年少でカウアイ島知事までつとめたRiceの著作で、終生カウアイ島で過ごした彼ならではの、カウアイ島ベースの神話伝説が豊富 です。内容は冗長なところのまるで無い、むしろダイジェスト版といってもよいような書き方ですが、非常に読みやすい本です。1923年の初版はテキストのみでしたが、1977年の 第2版(写真)がBishop Museum Pressから出たときには、28cm*35.5cmという大型写真集として生まれ変わり、見開きのほぼ全てのページに関連する写真が掲載されています。
Kepelino's Tradition of Hawaii(1932)  Kepelino - Martha Beckwith
 Kepelinoもハワイの誇るハワイ知識人の1人ですが、ラハイナルナ出身ではなく、オアフのカソリック系の学校出身です。1868年頃に彼 がハワイ語でまとめた話を1932年にBeckwithが英訳して世に出しました。ただし、Kepelinoが敬虔なクリスチャンであったためか、内容的にはかなりキリスト教的な記述が混入し ているようです。写真はハワイ州立図書館収蔵のものです。
Hawaiian Mythology(1940)  Martha Warren Beckwith
 ハワイの神話伝説に関する、ある種の終着点といってよい著作です。1940年までに発表されていた膨大な資料を、「The Gods」「Children of the Gods」「The Chiefs」「Heroes and Lovers in fiction」という4つのカテゴリーに分類し、各分類ごとに類似神話をまとめるとともに、出典ご との内容の差異を明確にしています。学術的にも極めて価値が高い書籍といえます。ただ、1つ1つの神話伝説は物語そのものではなく、ダイジェスト版的な記述にとどまってい るのはやむを得ないところかもしれません。
Hawaiian Legends in English(1949)  Amos P.Leib - Grove Day
副題が「Annoted Bibliography」とあり、要するにハワイの神話伝説に関する、英語での全出版物に対するカタログ本です。1冊の本とし て出版されたものだけが対象ではなく、論文記事、雑誌記事なども含む、研究者必携本と言ってよい本です。1949年にLeibが初版を出しましたが、その後出版されたものも多いた め、1977年にGrove Dayが大幅な追加を行って第2版を出しました。(写真は第2版)
Kumulipo(1951)  Martha Beckwith
 ハワイ王室に秘伝として伝えられていたハワイの創世叙事詩クムリポ全2102行の完全訳と解説です。なんとBeckwith 80才のときの著作です。1889年にハワイ語で発表された、「Kalakaua Text」をベースに書かれています。クムリポ自身は、ダーウィンも驚くような進化論を内在していた り、それぞれの節が二重に韻を踏んでいたりと、大変複雑でかつ興味深いものです。

Fragments of Hawaiian History(1959)  John Papa Ii - Mary Kawena Pukui(訳) Dorothy Barrere(編)
 John Papa Iiもまた、ラハイナルナを母校としたハワイの高級官僚です。この本では、カメハメハの全島統一の頃から、1830年代にわた るハワイの歴史を、同時代者の目で、当時の習俗とともに記述した貴重な本です。神話伝説の本、というのとは少し違いますが、重要なモチーフを提供していると考えます。写真 はBishop Museum Pressの初版第2刷(1963)です。
Ruling Chiefs of Hawaii(1961)  Samuel Kamakau - Kamehameha School Press
ハワイの歴史を、カメハメハ1世の8代前のUmi王の時代から記述した歴史書です。ラハイナルナ出身者としてご紹介したKamakauが1866年 から1871年にかけてKuoka紙に発表した記事を英訳して整理したものがこの本です。Mary Kawena Pukuiが翻訳全体の監修を行っていますが、ほかにも注釈者としてMartha Beckwith、さらにはDorothy Barrere、,Caroline Curtis、Thomas Thrumという豪華メンバーが参加しています。
People of Old(1964)  Samuel Kamaku - Mary Kawena Pukui(訳)、Dorothy Barrere(編)
原題は「Ka Po'e Kahiko」。Kamakauが1860年代にKuokoa紙、Ke Au Okoa紙に(いずれも週刊の新聞です)に発表していた記事を英訳再編 したものです。Spirit World、Magic and Sourceryなど、ディープな内容も豊富です。
写真はBishop Museum Press(1991)。
Kumuhonua Legend(1969)  Dorothy Barrere
Kumuhonua伝説(アダムとイブのような話です)を紹介している本ではなく、Fornanderの「Polynesian Race」が原典となっているクムホヌア伝説などいくつかの話が実は捏造であると論破している本(論文)です。Fornanderに情報提供したKamakau、Kepelinoは、実はそんな ことを書いてはいない。Fornanderの勘違い・強弁だという、強烈な内容です。序文はEmory博士が書いています。写真はPacific Anthropological Record #3で、論文の別刷りというかんじです。
The works of the People of Old(1976)  Samuel Kamakau - Mary Kawena Pukui(訳)、Dorothy Barrere(編)
原題は「Na Hana a ka Po'e Kahiko」。2つ上の「Ka Po'e Kahiko」の続編で、Kamakauが1869年~70年に「Ke Au 'Oko'a」紙に「Ka Moolelo Hawaii」として連載した記事の英訳再編版です。神話伝説というよりは、気候や農耕、狩猟、民芸など、昔のハワイの人々の暮らしぶりを紹 介している記事が豊富です。写真はBishop Museum Press(1992)。
Tales and Traditions of the People of Old(1991)  Samuel Kamaku - Mary Kawena Pukui(訳)、Dorothy Barrere(編)
原題は「Na Mo'olelo a ka Po'e Kahiko」。上記のシリーズ3冊目です。Kamakauが1865年にKuokoa紙に連載した記事の英訳です。内容は 3部に分かれており、第一部が、ハワイのバーチャル・ツアーの体裁を取ったさまざまな伝説の紹介、第2部・第3部が神話も混じった歴史モノです。本の体裁も綺麗で、全ての ページにあしらわれているイエイエのデザイン(写真下のほうにも見えます)はSig Zaneのデザインです。写真はBishop Museum Press(2000)。