ハワイの神話と伝説~神話伝説ライブラリー~太平洋全般の歴種・習俗

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ポリネシア人 片山一道、同朋社出版、ISBN4-8104-0976-7、1991/11、\2500 
 著者は学者であり、内容もポリネシア人の人種に関するある種の研究結果の披露、というものなので一見とっつきにくそうであるが、著者自身も語るように「愛すべきポリネシア人のことを少しでも知ってもらいたい」という思いがあふれる好著。
オセアニア各地に住むポリネシア人の身体的特徴を詳しく述べた後、彼らがどういう経路を辿ってポリネシア全体に拡がっていったかが述べられている。最後の章では、「今は亡き」ラピタ人こそが、ポリネシア人の先祖であり、ポリネシア文化の源流を作ったのではないか、という興味深い話もある。
タパ・クロースの世界 菊岡保江、小網律子著、源流社、1978年刊、\2400(当時)
 ハワイでは「カパ」と称される伝統的な樹皮布「タパ」。南太平洋で一般的に作られていたことはなんとなく知っていたが、アフリカ・マレー半島・南米など、赤道を中心とした世界中で作られていたものであることはこの本ではじめて知った。本書では、そのタパの詳細な制作方法、南太平洋各国でのデザインのバリエーション、また、その社会的・宗教的・経済的機能まで紹介されている。
タパはポリネシアの伝説にもよく登場し、また、現在でも土産物としてよく売られているが、この本で格段に視野が拡がること請け合い。
ポリネシアン・トライアングル M.スティングル著、坂本明美訳、アリアドネ企画、ISBN4-384-02378-2、1998年、\2100
チェコの民俗学者、ミロスラフ・スティングルがドイツ語で出版した「南海の楽園の支配者たち、神秘的なポリネシア」の全訳。ポリネシアの神話が、独立した章立ての箇所だけでなく、本文全般に散りばめられていて興味深く読める。また、神話・伝説だけでなく、古代ポリネシア人の生活・習俗についても詳しい。巻末には、訳者による、日本語参考文献の一覧もある。
ミクロネシアの先史文化 高山 純著、海鳴社、MONAD BOOKS #13、1983、\500
 全3章から成っており、第1章で白人(スペイン人)によるミクロネシアの「発見」から米西戦争の結果、アメリカがグアムを領有するに至るまでの歴史が簡単に描かれ、第2章では、ミクロネシアの民族誌、そして第3章で、著者自身の発掘調査、とりわけ土器の発掘にもとづく、マリアナ諸島及びミクロネシア先史文化に関する考察が述べられている。
発行は多少古いが、今(2001)でも民族学博物館などで購入できる。
Ancient Micronesia & the lost city of Nan Madol David H.Childress、Adventures Unlimited Press、ISBN0-932813-49-6, 1998、$16.95
 ポンペイ(ポナペ)の有名な海上石造遺跡、ナンマドールの紹介を中心に、コスラエのレル遺跡、パラウ、ヤップ、チューク(トラック)、グアムの古代遺跡について詳細に紹介している。
図版や写真が驚くほど豊富で読みやすい。ただ、写真がどれも写りが悪い(ピンぼけ)なのがやや難。世界中の古代遺跡についての「LOST CITIESシリーズ」の1つ。いわゆる古代好きの人達向けの本?
POLYNESIA IN EARLY HISTORIC TIMES Douglas Oliver. Bess Press
ハワイも含む古代のポリネシア全域について、人種の起源、宗教や習俗など文化人類学視点でわかりやすくまとめた本。それにしても、ポリネシアという超広大な地域(海域)について、単一の文化が伝播しているというのは驚き。
POLYNESIAN INTERCONNECTIONS Peter AhChing. Lulu press
副題がSamoa to Tahiti to Hawaiiとあるが、言い換えればSavai'i to Havai'i to Hawai'iとなり、ポリネシア全域がいかに単一文化圏であるかを解説している本。ただ、文章の中にやたらと参考URLが登場してくるのは読みにくい。。。
南方に死す 荒俣宏. 集英社
博覧強記の荒俣宏氏の面目躍如というか、ハワイだけでなく、バリ、タヒチ、フィジー、ジャワなど、南太平洋の文化習俗オンパレードといった本。
全体としてちょっととりとめが無いでもないが、とにかく、知識が拡がることは請け合い。
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