ハワイの神話と伝説~神話伝説ライブラリー~ハワイの神話・伝説Ⅱ

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KAMAPUAA THE HAWAIIAN PIG-GOD Lilikala K.Kameeleihiwa, Bishop museum press, ISBN0-930897-60-9, 1996, $22.95
1891年にKa Leo o ka Kahui(The voice of the Nation)という、ハワイの現地紙に掲載された、 He Mo'oleo Ka'ao Kamapua'a(A Legendary Tradition of Kamapuaa)シリーズ全22話の英訳。
それまでこれまた口承で伝わっていた豚神カマプアア伝説を、生に近いカタチで収録した貴重な文献。挿し絵も神秘的。ただし、とても読みにくい。;_;
HILO LEGENDS  Frances Reed, Petroglyph Press, ISBN0-912180-45-5,1998/05 5th print, $5.95
HILOというのは、ハワイ島第1の都会ヒロのこと。HILOという地名の由来などローカルぽい話もあるが、大半は、舞台がヒロの伝説、すなわちマウイとヒナの物語。
全52ページ!活字も大変大きい!挿し絵もとっても豊富!というわけで、すぐ読める本。
THE SECRET OF HAWAIIAN RAINBOW Stacey Kaopuiki(text),Bob Wagstaff(pict)、HAWAIIAN ISLAND CONCEPTS、  ISBN1-878498-02-9,$15.95
子供向けの絵本。虹の色を、小人メネフネたちがいろんな素材で作るのですが、その色の名前をハワイ語、英語、そしてnihongo、さらには手話!で併記してあって面白いです。

テキスト(の拙訳)は全文、メネフネと虹の伝説 に載せましたので参照してみて下さい。
FOLKTALES OF HAWAII Mary Kawena Pukui, Bishop museum Press, ISBN 0-930897-43-9, 1995
これまたMary Kawena Pukui自らが語るハワイの神話伝説の小咄集。
160ぺージほどの本だが、収録話数は44話もあり、面白いのは、そのうち25話については。「ハワイ語対訳」になっていること。ハワイ語に自信のある人は挑戦してみる価値あり?

ページの配色、カットなどのデザイン的にも優れた本。
THE WATER OF KANE  Mary Kawena Pukui編 Kamehameha School Press, ISBN 0-87336-020-6,1994
1951年に出版された同名の本の改訂版。神話Iの「Hawai'is Island Legends」の姉妹本のようなもの。上記を赤本とするならこちらが青本、というかんじ。

カネの水(泉)とは死者を蘇生する力をもった水のことで、これにまつわる伝説は近々ご紹介したいと思っています。それはともかく、収録されている内容は標題の伝説にまつわる話が3編と、あとはハワイ諸島の島別に全部で29編。
イラストはOliver C.Kinneyという人の手によるがこれも私の好み。
KEAOMELEMELE Moses Manu - Pukui訳, Bishop museum press
フラの女神としてはラカが有名ですが、カポをフラの女神とする話もあり、カポ直伝でフラを習ったメレメレの物語。(名前を直訳すると金色の雲)。養母のモオ・イナネア、四大神にポリアフ、メネフネと豪華キャストも登場してくる。
THE PELE LITERATURE:ANNOTATED BIBLIOGRAPHY Arki Ninmo, Bishop museum press
Bishop Museum Bulletin in Anthropology 4。
ペレ神話に関する英語の参考文献を集めに集めて網羅した本。というか、レポート。なんと驚くなかれ810冊もの文献が記されている。マニア向け。
ANCIENT O'AHU Dennis Kawahara, Kalamaku Press
オアフ島各地を舞台とした伝説を14編収録した本。マウイやカマプアアなどの有名な神(半神)についての話もあるが、どれも現地に根差したエピソードのみを掲載。エピソードごとに地図が添えられているので、土地勘の無い外国人にも少しわかりやすい。
Voyage of HMS Blonde to the Sandwich Islands(1826)  Lord Bylon 
1824年~1825年にかけてH.M.S.Blonde号に乗ってハワイを訪れたバイロン卿のハワイ訪問記です。当時のハワイ(カメハメハ大王没後、リホリホが即位など)の様子を記録している大変貴重な本です。文章だけでなく、15枚の銅版画が添えられており、これまた当時の人々の風俗とか、ラハイナの風景などの貴重な記録となっています。神話については「Song of Orono」という章に、LONO神に捧げるチャントが掲載されています。左の写真は1826年にイギリスで発行された初版で、ハワイ州立図書館収蔵のものです。Blonde号はハワイだけでなく、ブラジルやガラパゴス諸島も回ったようで、そちらのほうの研究者にとっても重要な素材になっています。
Legend of Paao(1913) W.D.Westervelt
Westerveltシリーズの2冊目。正式名は「Around the Poi Bowl, and Legend of Paao」。1899年のCram's Magazineという雑誌に掲載された記事をもとにしたもので、非常に短いものです。
写真はハワイ州立図書館収蔵のもの。表紙・ページともに激しく損傷しているため、図書館で修復されています。
More Hawaiian Folktales(1923) Thomas G.Thrum
 1907年の「Hawaiian Folktales」の続編で、これもHawaiian Almanac and Annualからの抜粋です。先のバージョンではほとんどの話は著者名付きでしたが、今回のものは、名前なし、すなわちThrumが直接執筆したと思われる箇所が増えています。写真はUniversity Press of Pacificによる復刻版です。
Hawaiian Legends(1923) William Hyde Rice
 史上最年少でカウアイ島知事までつとめたRiceの著作で、終生カウアイ島で過ごした彼ならではの、カウアイ島ベースの神話伝説が豊富です。内容は冗長なところのまるで無い、むしろダイジェスト版といってもよいような書き方ですが、非常に読みやすい本です。1923年の初版はテキストのみでしたが、1977年の第2版(写真)がBishop Museum Pressから出たときには、28cm*35.5cmという大型写真集として生まれ変わり、見開きのほぼ全てのページに関連する写真が掲載されています。
Kepelino's Tradition of Hawaii(1932) Kepelino - Martha Beckwith
 Kepelinoもハワイの誇るハワイ知識人の1人ですが、ラハイナルナ出身ではなく、オアフのカソリック系の学校出身です。1868年頃に彼がハワイ語でまとめた話を1932年にBeckwithが英訳して世に出しました。ただし、Kepelinoが敬虔なクリスチャンであったためか、内容的にはかなりキリスト教的な記述が混入しているようです。写真はハワイ州立図書館収蔵のものです。
Hawaiian Legends in English(1949) Amos P.Leib - Grove Day
副題が「Annoted Bibliography」とあり、要するにハワイの神話伝説に関する、英語での全出版物に対するカタログ本です。1冊の本として出版されたものだけが対象ではなく、論文記事、雑誌記事なども含む、研究者必携本と言ってよい本です。1949年にLeibが初版を出しましたが、その後出版されたものも多いため、1977年にGrove Dayが大幅な追加を行って第2版を出しました。(写真は第2版)
Kumuhonua Legend(1969) Dorothy Barrere
Kumuhonua伝説(アダムとイブのような話です)を紹介している本ではなく、Fornanderの「Polynesian Race」が原典となっているクムホヌア伝説などいくつかの話が実は捏造であると論破している本(論文)です。Fornanderに情報提供したKamakau、Kepelinoは、実はそんなことを書いてはいない。Fornanderの勘違い・強弁だという、強烈な内容です。序文はEmory博士が書いています。写真はPacific Anthropological Record #3で、論文の別刷りというかんじです。
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