ハワイの神話と伝説~神話伝説ライブラリー~神話と伝説

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HAWAIIAN MYTHOLOGY  Martha Beckwith, Univ of Hawaii Press, ISBN 0-8248-0514-3, 1976
「ハワイの神話」に関する本として、いわばスタンダードの地位を獲得している、Martha Bechwithの名著。1940年の初版出版後、1969年に30年ぶりの改版、1976年にペーパーバック化(この本)された。
 内容は全部で4部構成、「ハワイの神々」「神々の子供達」「族長たち」「英雄と人気者たち」のそれぞれについての神話を全部で34話収録しており、560ページに及ぶ大作。

 それぞれの神話について、出典・出自なども細かに記載されており、この本を基点に対象を広げていける便利な本。
MYTHS AND LEDENDS OF HAWAII  W.D.Westervelt, Mutual publishing, ISBN0-935180-43-5, 8th print, 1997/08, $5.95
ハワイの神話伝説研究家として著名な、Westerveltの著作の総合版。

全体は大きく4部+1話に分かれており、第1部:マウイとヒナの物語(8話)、第2部:ペレとその家族(11話)、第3部:精霊と精霊神(11話)、第4部:古オアフの神話と伝説(18話)、第5部:長編~黄泉の国から来た花嫁、という構成。

1920年頃に出版された、著作を復刻し、1冊にまとめて出版したもの。
HAWAIIAN LEGENDS OF GHOSTS AND GHOST- GODS  W.D.Westervelt, Mutual publishing, ISBN1-56647-076-5, 1st print, 1998/02, $6.95
これは1916年のWesterveltの著作そのものの復刻出版。

古オアフの神話と伝説18話 + Westerveltによる解説5編。内容的には上記の「Myths and・・」に含まれるが、挿し絵あり、字が大きい、などで読みやすい。(それにこちらのほうが原作)

巻末に1916年当時のハワイの観光案内が少しだけ載っており、ホノルル水族館やビショップ博物館が紹介されているのも面白い。
HAWAIIAN LEGENDS OF VOLCANOES  W.D.Westervelt, Mutual publishing, ISBN1-56647-077-3, 1st print, 1999/10, $5.95
これまた1916年のWesterveltの著作そのものの復刻出版。

第1部はペレとそのファミリーに関する伝説20話(その一部が上記の「Myths and・・」に収録)
第2部はオリジナルには無いが、当時いろんなところで発表されていたハワイの火山学に関する解説5話。
これも字が大きくて読みやすい。
THE KUMULIPO  M.W.Beckwith, University of Hawaii Press,, ISBN0-8248-0771-5, $10.95
ハワイの創世神話クムリポ全2,102文の完全収録、解説本。

昔からハワイ王家に口承されていた神話を1889年にカラカウア王が、続いて1897年にリリウオカラニ女王が成文化していたが、それを1951年に、はじめて英語で紹介したのがこの本。
クムリポはハワイの伝統芸能を語るときに何かと参照されることも多く、是非、手元に1冊置いておきたい本。
KONA LEGENDS  Eliza D.Maguire, Petroglyph Press, ISBN0-912180-54-4,2000/04 2nd Edit, 2nd print, $7.95
KONAというのは、ハワイ島第2の都会コナのこと。場所柄、ペレに関する伝説も多いが、そのほかのハワイ古来の言い伝えなども豊富。
これまた全55ページ、活字大、挿し絵豊富ですぐ読める本であるが、挿し絵(Eva Anderson)がやや見苦しいのが唯一の欠点か。
PELE  Herb Kawainui Kane, The Kawainui Press, ISBN0-943357-01-2,expanded edition, $8.95
ペレに関するひととおりの伝説だけでなく、近世~現代において、ペレ神話がどう生きているのか、までを含めた、ペレに関する総合解説書。火山活動の解説まで付いている。
しかも、もともとキラウェアのトーマス・ジャガー博物館に飾るペレの壁画集を作ったときに触発されてできた本というだけあって、カラー挿し絵も大変豊富で楽しい。
HAWAIIAN MYTHS OF EARTH, SEA, AND SKY Vivian L.Thompson、Univ of HawaiiPress、ISBN0-8248-1171-2,1988,
ハワイの代表的な神話を11話、紹介している。。

SA挿し絵も多くて活字も大きいので、一見、子供向きの本かな?とも思うが(本当にそうなのかもしれないが)、簡単なハワイ語の解説とか、きちんとした参考文献リストなどもついており、「ハワイの神話伝説の入門本」として最適な気がする。

全84ページ。イラスト担当のMARILYN KAHALEWAIの挿し絵はシンプルで愉快。
TALES OF THE MENEHUNE Mary Kawena Pukui、Kamehameha School Press, ISBN 0-87336-010-9, 1985/rev
「メネフネ」の伝説だけで1冊の本になっているのか!と思って購入したら。メネフネの話は4話だけ。マウイの伝説が7話、そして、「その他の伝説」が26話!という、人を食ったタイトルの本。

しかし内容的には、著者Mary Kawena Pukuiが自ら収集?してきた小話など、他の書籍では目にすることのできないものも多く、なかなかに貴重な本であるともいえる。

全130ページ。とても読みやすい構成。
THE LEGENDS AND MYTHS OF HAWAII  King Kalakaua, Mutual, ISBN 0-935180-86-9, 1990,
ハワイ王朝時代、カラカウア王自らが編集・記述した著作の復刻版。全22話。ただし、本当の著者は、共著ということになっているダジェット氏ではないかといわれている。
   
STORIES OF OLD HAWAII  Roy Kakulu Alameida, Bess Press, ISBN 1-57306-026-7,1997, $11.95
神話と言うよりは、民話集。124ページで45話。とても読みやすい。挿し絵も豊富。
脚注(というか、ページ左右の余白)には、登場してきた主要なハワイ語の英訳が解説されており、自然と?ハワイ語になじんでいくことができる(ような気がする)。

HAWAIIAN FOLK TALES  Thos.G.Thrum編著 MUTUAL, ISBN 1-56647-166-4
1907年に刊行された本の、Glen Grantによる復刻版です。
1907年当時に既に出版されていた書籍や、あるいは編者自身が集めてきた、メネフネやクウラ(魚の神)、ナナウエ(鮫の神)など様々なジャンルの伝説(民話)が集められている。
巻末にハワイ語索引あり。
HAWAI'I ISLAND LEGENDS  Mary Kawena Pukui編 Kamehameha School Press, ISBN 0-87336-032-X,1996
1949年に出版された「Pikoi and other legends of the island of Hawai'i」の復刻版。
Pikoiというのはカウアイ島の冒険少年とでもいう伝説上の人物。
その他、ペレの神話7編と、さまざまな民話25編が収録されている。
イラスト(Don Robinsonという人が担当らしい)は私の好み。
HAWAIIAN HISTORICAL LEGENDS  W.D.Westervelt、MUTUAL, ISBN 1-56647-171-0, 1999,$6.95
古代史から書かれたハワイ史、とでもいうべき本。
ハワイにも伝播したポリネシア、マオリなどの伝説からはじまり、タヒチからの高僧パアオの移住、クック以前のスペイン船などとの接触、そしてクック来島、ハワイ王国の樹立から憲法制定と、時代を追った興味深い話題が満載。

1923年に刊行された本の、Glen Grantによる復刻版。

MADAME PELE Rick Carrol, Bess Press
副題が「True Encounters with Hawaii's Fire Goddess」とあるように、古来からの伝承ではなく、現代に生きるペレ神話にフォーカスしたちょっと変わった本。ハワイ各地でのペレ目撃談!の総集編。
PELE AND HIIAKA : A Myth From Hawaii N.B.Emerson, Ai Pohaku Press
ヒイアカ神話の原典といって良い本。長編小説としての体裁だけでなく、関連するメレがふんだんに挿入されている。フラを学ぶ方にとっては、是非手元において置きたい一冊であるのは間違いないが、長編なのに目次も索引もないため、少しとっつきにくいかもしれない。ただし巻末には、「Index of First Lines」という索引はあり、一度全部読んだ人にとっては便利な構成になっている。
PELE AND HIIAKA Dietrich Varez, Petroglyph Press
上記のエマーソンの著作は、正直、長大すぎてしんどい、という人にオススメの、ヒイアカの悲劇をコンパクトにまとめた本。(絵本) Dietrich Verezという名前に聞き覚えがある人も多いと思うが、なんと全てのページに彼の版画が用いられているという楽しい本。
HAWAIIAN LEGENDS OF OLD HONOLULU Westervelt, Tuttle
タトルから出ていた、日本の文庫サイズの可愛いハードカバー。
ホノルル、というタイトルどおり、挿絵や写真はいにしえのホノルルの風景などが中心だが、収録されている話は、創世神話を含め、必ずしもホノルルに特化しているわけではない。また、神話伝説自体よりもそれを取り巻く背景などの解説も多くて参考になる。
THE LEGEND OF LAIEIKAWAI Dietrich Varez, UHPress
これもDietrich Varezの手による、版画集にもなっている作品。
Haleole - Beckwithの「Hawaiian Romance of Laieikawai」がハードル高すぎると思ったら、こちらの本を手にとって見ることをオススメ。
NANAUE THE SHARK MAN Emma Nakuina ほか, Kalamaku Press
鮫の神、カモホアリイの息子ナナウエの物語。背中に鮫の口を持つという衝撃的な体型を持ち、人を食べてしまうという恐ろしい話。小説「エデンの炎」にも登場するなど、ハワイでは有名な怪人。
HAWAIIAN LEGENDS OF GUARDIAN SPIRITS Caren Loebel-Fried, UHPress
面白い構成で、ブレッドフルーツ、千鳥(Plover)、鮫、ひょうたん、フクロウという5つのテーマに沿って関連する伝説を収録している。カラーのものも含めてふんだんに版画があしらわれ、あのNona Beamerが序文を書いているという豪華な本。
Narrative Tour through Hawaii(1826)  William Ellis 
正式名は「Journal of William Ellis, A Narrative Tour Through Hawaii in 1823」
1826年頃、イギリスとアメリカでそれぞれ初版発行され、1917年に Hawaiian Gazette社という出版社から、ホノルルで再版されました。写真はその1917年版のものです。収録されている神話伝説の種類については、「ハワイ神話の研究者たち」の本文を参照してください。
A History of the Sandwich Islands(1843)  Sheldon Dibble
ラハイナルナに着任した若き牧師Sheldon Dibbleは当時の生徒、David Maloらの協力で「Ka Moolelo Hawaii」をまとめました。(ハワイ語表記です)。その成果をもとにさらに充実させたのがこの「A History of the Sandwich Islands」です。ただし、いわゆる神話伝説に相当する部分は20ページ強くらいです。
写真はハワイ州立図書館収蔵のものです。
An Account of Polynesian Race (1878-1885)  Abraham Fornander
正式名は「An Account of the Polynesian Race: Its Origin and Migrations and the Ancient History of the Hawaiian People to the Times of Kamehameha I 」という長いものです。タイトルにもあるように、Fornanderの主たる興味は、ハワイの人々の起源の追求にありました。全3巻からなるこの本のうち、第1巻でその起源を説き、第2巻はその傍証としての神話伝説集、第3巻もさらなる傍証としての比較言語論です。彼の主張自体は、学術的にはかなりムリがあったようですが、第2巻は資料的価値もあり、この巻だけが別途、ペーパーバックで出版されています。(写真右)。左の写真は全3巻+indexがセットになった便利なもので、1969年にタトル出版から出されたものです。
Hawaiian Antiquities(1903:Moolelo Hawaii)  David Malo - N.B.Emerson
Sheldon Dibbleの薫陶で古代ハワイの民話・風俗の収集を行った、ハワイの誇る学者David Malo自身の著作です。当初1843年にハワイ語で出版されていたものを、1903年にEmersonが英訳出版したものです。神話伝説に関する記述は40ページほどです。写真は1951年の第2版の再版、Bishop Museum刊です。
Legends of Maui(1910)  W.D.Westervelt
Westerveltの神話伝説シリーズの1冊目です。写真はUnivertsity Press Of Pacificによる復刻版。
1910年当時の写真も10数枚含まれています。
Fornander Collection of Hawaiian Antiquities and Folk-lore(1916-1920)  Abraham Fornander - Thomas.G.Thrum
ハワイの神話伝説の原典集の金字塔といわれるFornander Collectionです。正式名は、「Fornander Collection of Hawaiian Antiquities and Folk-lore ; The Hawaiian accounts of the formation of their islands and origin of their race with the tradition of their migrations, etc., as gathered from original sources」という、とてつもなく長いものです。Fornander自身の著書「An account of Polynesian race・・」は、Fornanderの主張する起源説について批判も多いですが、その本を出版するにあたってFornanderが収集したこの「材料集」は、掛け値なしに価値あるものとされています。

Fornandeの没後、Bishop氏によって草稿が買い取られ、Bishop Museumの号令でAlexsander、そしてThomas.G.Thrumによって翻訳・編纂がなされました。 Bishop Museumの「Memoirs」シリーズのVolume IV~VIとして、1916年~1920年にかけて順次刊行されました。各巻はそれぞれ3部構成になっており、全部で9巻約1500ページに及びます。(見開きが英語ハワイ語の対訳として読めるようになっています)。1951年、Samuel Elbertによってこのシリーズのダイジェスト版(Volume Vが中心)が「Selection from Fornander」として出版されています。(写真右)。
Hawaiian Romance of Laieikawai(1919)  Haleole - Martha Beckwith
 「ラハイナルナに集った人々」でご紹介したHaleoleが、1860年代にNa Nupepa Kuokoa紙に連載した長大な物語を、1917年にMartha Beckwithが翻訳、「33rd Annual Report of the Bureau of American Ethnology(1911-1912)」に発表しました。ハワイ版源氏物語とでも言ってよいような、高貴な女性の恋物語が中心ですが、途中、話はいろんなところに逸れていき、激しく冗長な話になっています。
写真はその33rd Annualそのものです。Beckwithの寄稿している部分だけで300ページ近くあります。
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