前章でご説明したルアキニ・ヘイアウと対極をなすのが「プウホヌア」タイプのヘイアウです。 (逃れの地、駆け込み寺というような意味です)ここに逃げ込めば、罪を犯した者、戦争に負けた者、カプを破った者、 などが、全ての罰から逃れることができるだけでなく、その穢れた魂を清めることができたのです。 プウホヌアで人を殺すことは、最高位の酋長にも許されない強力なカプであり、絶対の安全が保障されていたので、 戦争のときには、老人や子供達は最初からプウホヌアに疎開していたようです。
しかしこの話にはオチがあります。通常、プウホヌア・ヘイアウの回りには僧侶の家が固めていて厳しい目を
光らせていたり、あるいは険しい崖の上にあったり、三方を海に囲まれていたり、と、追っ手を振りきる
逃亡者が容易に到達できるような場所にはプウホヌアは建設されなかったようです。
女性のためのヘイアウとして、「ハレ・オ・パパ」(女神パパの家)というものがあります。
通常、ヘイアウなどの神聖な場所へは女性の立ち入りは禁止されており、女性は塀の外から祈りを捧げていましたが、
時に「ハレ・オ・パパ」というかたちで明確に女性のための祭祀場が設けられることもありました。
ここには女神ペレの神官たちも訪れていた、ということです。 |