
むかし、天と地は今ほどはなれていなくて、最初の頃は地面すれすれまで天が降りてきていました。また、天が重くのしかかっていたため、植物の葉は平べったい形にならざるを得ませんでした。やがて、それでも植物が生い茂るにつれ、天は少しずつ持ち上げられ、マウイがいた頃には、人間が自由に行き来できるくらいの隙間は空いていたようです。
さてある日、マウイがある女性に「ひょうたんの碗一杯の水を恵んでくれないか、そうすれば俺はもう少し空を高く持ち上げてやるんだけどなぁ」と話しかけます。
その女性が、言われたとおりに碗一杯の水をマウイに手渡すと、マウイは、えいやっとばかりに空を木々の梢のあたりにまで持ち上げてしまいました。
次に彼は空をつかむと、今度は山の頂上まで持ち上げます。そしてものすごい力で空を放りあげ、ついには、現在、空がある高さのところまで空をあげてしまいました。
今でも、ハレアカラ山には時折黒い雲が降りてきて雨を降らせることがありますが、彼ら(雨雲のこと)はマウイにまた投げ飛ばされるのを恐れて、決して長居をしないそうです。