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ハワイの神話と伝説〜神話伝説ライブラリー〜ハワイの小説・怪談

※下記の情報は購入当時のものですので、現在は変更されている可能性があります。ご注意ください。

エデンの炎:上下 ダン・シモンズ、角川文庫、ISBN4-04-271104-9、1998/07初版、\700(上下巻 各)
ハワイの神話をベースにした怪奇ミステリー。
主人公の、エレノアという聡明で美しい女性が、ハワイで邪悪な神々との戦いに巻き込まれていく。一方、彼女が肌身離さず持っている「キッダーおばさん」の手記には、130年前に、おばさんとマーク・トウェインが実は当時のハワイで同じような危機に直面していたことが示されていた・・・。
ストーリーそのものは、ちょっと凝り過ぎかな?とも思うが、ハワイの神話に興味がある人たちにとっては、全編に散りばめられたハワイ神話の断片や、生き生きと描かれた半神たちなど、とても楽しく読めると思う。
モーム 雨・赤毛 新潮文庫、ISBN4-10-213008-X、1959/初版、\362
この本には、「雨」「赤毛」「ホノルル」の3編の物語が収録されている。
いずれも、南海もの、として知られている話ではあるが、通常、名作と言われるのは雨、赤毛の2つで、ホノルルのほうは格が1つ下のように見られているようだ。たしかに、文学作品として優れているのは前者の2つだと思うが、「ホノルル」は、モチーフが「ハワイの神話」そのもの。どんなモチーフかというと、本ホームページでも取り上げた「マノアの虹の乙女」と対比させてみて下さい。
南の島のティオ 池澤夏樹、文春文庫、ISBN4-16-756102-6、1996/10初版3刷、\437
「南の島」の小さなホテルの息子ティオを巡って起こる、不思議な10個の短編。
精霊、というものが具体的に人々の文明生活の中に共存しているこの島で、聡明なティオを中心とした、ほのぼのとした不思議な出来事がつづられている。

童話・児童書に分類される本だが、大人が読んでも充分、心に沁みる場面にに出会えると思う。

この本も素材はハワイでなく、ミクロネシアのポナペ(ポンペイ)島がモチーフらしい。
マシアス・ギリの失脚 池澤夏樹、新潮文庫、ISBN4-10-131815-9、1996/07初版3刷、\699
南洋の架空の島国、「ナビダード民主共和国」で起こる、不思議な物語。
神秘や魔術といった、島古来の文化と、現代風の政治経済の考え方のはざまに立って悩む大統領マシアス・ギリ。そんな中、島を訪問した日本からの慰霊団47人を乗せたバスが忽然と姿を消してしまう。

この本はハワイを素材とした本ではない。(おそらくミクロネシアのヤップ島、トラック島といったあたりがモチーフ) が、こういう「不思議さ」こそが、ハワイ・マナに奥深いところでつながっているような気がする。
夏の朝の成層圏 池澤夏樹、中公文庫、ISBN4-12-201712-2、1996/07第3版、\485
マーシャル諸島の小さな島(「ウトマハク環礁」ということになっている)に漂着した主人公の、南国の無人島での生活、そこで偶然出会ったアメリカの映画俳優マイロンとの会話を通じて、南の島のプリミティブな魅力が伝わってくる本。

南国の無人島で、ときには生死の境目を漂いながらも、主人公の視点はあくまでも知的・都会的で、洗練されているように思える。池澤夏樹氏はひょっとして自分自身の仮装体験としてこの本を書いたのではないかという気がする。

タイピー ポリネシヤ奇譚  
あの「白鯨」のメルヴィルの、もう1つの名作。
はからずも、南の島(マルケサス諸島らしい)の食人種(タイピー)としばらく一緒に暮らすことになってしまった水夫の物語。果たして、タイピーは、噂通りの、獰猛な野蛮人だったのか・・?
昔風の、南海の魅力いっぱいの小説。
ハワイ 妖怪ツアー グレン・グラント著、藤野・河西訳、大栄出版、ISBN4-88682-593-1,1995/07初版1刷、\1,300
原題「OBAKE/GHOST STORIES IN HAWAII」。ハワイの神話伝説業界?では第一人者のグレン・グラントの著書。

内容的には、いわゆる「怪談集」で、序章「ムジナとカッパを求めて」など、日本起源の怪談がどうやってハワイに根付いていったのか、という点での記述も多い。

下記の「Chicken Skin Tales」とは姉妹本?
Chicken Skin Tales 49 Glen Glant, Mutual publishing, ISBN1-56647-228-8, 1998/10 1st print, $12.95
上記と同じ、グレン・グラントの著書。

ハワイの怪談集。とはいえここにもハワイの神々や精霊が深く関わっている。

ハワイでは「Obake」という単語も定着していてこういうChicken Skin Talesにはしばしば使われるが、しかし日本で言うところのお化けと、ハワイのGhostは違うような気がするのだが・・・
白い孔雀  よしだみどり、文芸社、ISBN4-8355-3694-0、2002年
副題をそのまま書くと、「ハワイ王朝滅亡の歴史とともに描く美貌と孤高のプリンセスの物語」。
プリンセスとは、カイウラニ王女のこと。カラカウア王が日本の山階親王との縁組みを画策した美しい姫、ということでご存じのかたが多いかもしれません。

しかしカイウラニは単に美しいだけではなく、数カ国語にも堪能で社交性も抜群、ハワイ国民だけではなく欧米諸国からも極めて評価の高い女性だったのです。
王国末期、やや偏執狂的なナショナリストとなったリリウオカラニ女王に替わって、彼女が女王に立っていればハワイ王国はもう少し延命できたのでは?と思わずにいられない本です。

OBAKE Glen Grant, Mutual Publishing, ISBN1-55647-320-9,2000
3つ上↑の「ハワイ妖怪ツアー」の原本。細かいことを言えば、日本語版の第6章「金縛り」が、原本では別の話、「Dont step on my Grave(私のお墓に立たないで)」となっているが、これはバージョンの違いかもしれない。