
前章でご説明したルアキニ・ヘイアウと対極をなすのが「プウホヌア」タイプのヘイアウです。 (逃れの地、駆け込み寺というような意味です)ここに逃げ込めば、罪を犯した者、戦争に負けた者、カプを破った者、 などが、全ての罰から逃れることができるだけでなく、その穢れた魂を清めることができたのです。 プウホヌアで人を殺すことは、最高位の酋長にも許されない強力なカプであり、絶対の安全が保障されていたので、 戦争のときには、老人や子供達は最初からプウホヌアに疎開していたようです。

ハワイ島プウホヌア・オ・ホナウナウ。http://joetourist.ca/より。
しかしこの話にはオチがあります。通常、プウホヌア・ヘイアウの回りには僧侶の家が固めていて厳しい目を
光らせていたり、あるいは険しい崖の上にあったり、三方を海に囲まれていたり、と、追っ手を振りきる
逃亡者が容易に到達できるような場所にはプウホヌアは建設されなかったようです。
その他、目的によって様々な種類のヘイアウが建設されました。農耕の神ロノのための
「マペレ・ヘイアウ」。ここでは豊穣を祈る儀式が行われましたたが、とても穏やかなものであり、
決して人柱などがたてられるようなものではありませんでした。
また、干ばつや飢饉のときには、「ホオ・ウルウル・アイ」という雨乞いのためのヘイアウがたてられました。
逆に、大雨の時の晴れ乞いのための「カルア・ウア」というのもあり、ここでは、ティの葉で雨水を包んでイムで
蒸し焼きにし、雨を止めたということです。
「ヘイアウ・ホオロア」という、癒し(ヒーリング)のためのヘイアウもあります。ここには薬草も植えられており、
精神的な癒しだけでなく、医療も行われたようです。オアフのアイエアにあるケアイワ・ヘイアウは今でも
ヒーリングスポットとして有名です。

ケアイワ・ヘイアウ
http://www.eight08.net/2001/kh.htmlより
女性のためのヘイアウとして、「ハレ・オ・パパ」(女神パパの家)というものがあります。
通常、ヘイアウなどの神聖な場所へは女性の立ち入りは禁止されており、女性は塀の外から祈りを捧げていましたが、
時に「ハレ・オ・パパ」というかたちで明確に女性のための祭祀場が設けられることもありました。
ここには女神ペレの神官たちも訪れていた、ということです。