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精霊たちのエピソード

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FXを楽しむための小ネタ集

ハワイの神話と伝説~冥界に行ったマルアエ

昔、ホノルルの裏手、マノアの渓谷にマルアエという農夫が住んでいました。彼はタロ芋やバナナやサツマイモを栽培していましたが、 気候も土壌もよかったおかげで、毎年、たわわな収穫を得ることができていました。 また彼は、信心深く、正直者でもあったので、収穫した作物は、信心していた2人の神、カネとカナロアにまず捧げ、 残りを自分の家に持って帰っていました。

彼には、また、カアリイ、という、かわいい一人息子がおり、目の中に入れても痛くないほどかわいがっていました。 ところがこの子は少々お調子者だったので、ある日のこと、おなかを減らして歩いていたとき、マルアエの祭壇にバナナがたくさん 供えられているのを見つけ、それをぜんぶ食べてしまったのです。

2人の神はいつものように祭壇を見てみると、何も残っていません。彼らはひどく腹を立て、バナナをもぐもぐやっているカアリイを 見つけると、いきなり殺してしまったのです。死んだ後の死体は木の下に横たわり、魂は冥界へと去っていきました。 マルアエが1日の仕事を終え、家路についていると、2人の神にばったり会います。神はマルアエに、おまえの子供が 勝手なことをしたので、殺してしまったぞ、と告げて去ります。

マルアエはたいそう嘆き悲しみましたが、相手は神様、どうしようもありません。とにもかくにもカアリイの死体を探し出し、 家に連れて帰ると、そっとその体を横たえ、自分も死んでカアリイのいる冥界に行こう、と決心し、何も食べず、 何も飲まずに、じっと、カアリイの側に横たわります。

その日が終わり、次の日が来ても、またその次の日が来てもマルアエは動きません。
2人の神は、いつもの祭壇にいつまでたっても供え物が来ないのをいぶかります。そしてマルアエの様子を 見に行った2人の神は、少し後悔しはじめます。「あいつは何も食べず何も飲まず、もう冥界の入り口まで 行っているようだ。 ここであいつが死んでしまったら、責められるのは俺達だな」とカネ。「あいつは あんなに俺達のことを信仰してくれたのに、怒って子供を殺してしまったのは、俺達が早まったようだ。 こんなことで信仰者を失うのも辛いよな」とカナロア。

2人の神は、子供の魂を父親の元に返してやろうと決め、マルアエの家を訪ねます。
「おまえはそんなに子供のことが好きだったのか?」
「ええ、限りなく」
「おまえは冥界に行って子供の魂を持って帰ってくることができそうか?」
「いえ、私の力では無理なので、こうして、せめて子供のいるところに行って一緒に暮らしてやろうと、じっと 死が訪れるのを待っているのです」
「それではおまえに、神の力を与えよう。そして、子供の魂を冥界から取り戻すのを俺達がしっかり手伝うよ」

力を授けられたマルアエは、まず、しっかりと食べ、そして飲み、元気を取り戻します。彼が目指した先は ホノルルのほど近くにあるモアナルアという土地、オアフ島で一番幽霊達が集まりやすい場所です。 その地にあったブレッドフルーツの木が、実は冥界の入り口だったのです。

マルアエは、2人の神から、「舐めるだけで力が出る食べ物」「魔法の棍棒と槍」「灼けた熔岩」を、 聖なる筒に入れてもらっていました。冥界の番人はマルアエを阻止しようとしましたが、魔法の棍棒で戦いの末、 番人を倒し、また、さまよう幽霊達にあるときは脅され、あるときは歓迎されたりもしながら彼はついに 子供に巡り会います。しかし、子供の魂を連れて帰ろうとすると、冥界中の幽霊という幽霊がわらわらと 押し寄せてきて行く手をはばむではありませんか。

その数は100人や200人ではありません。棍棒や槍で倒していくのにも限界があります。 そこで、マルアエは神からもらった灼けた熔岩をふりまきます。熔岩は怒濤のように幽霊達を呑み込んでいき、 マルアエはやっとの事で、空になった筒の中に子供の魂を詰め込み、家に連れて帰ることに成功します。 もとの体に魂を戻された子供は元気になり、その後2人は信心深い生活を送って無事に一生を終えたということです。

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